六位一体による地域保健医療の均てん化
~救えるはずの命を救うために~

六位一体による地域保健医療の均てん化
~救えるはずの命を救うために~

「患者アウトカム」(健康状態・生活の質・社会生活)を、
「均てん化」(あまねく最良の状態となっていること)するため、
患者・住民、議員、行政、医療者・専門家、メディア、民間が「六位一体」となって、
地域の医療政策や対策に「参画し協働」することを、
支援してまいります。
(埴岡健一の個人サイトです)

新着情報

「地域医療ビッグデータで地域の課題を抽出」連載③

大腸がんの死亡率と減少率の推移 ~地域の課題を知って対処~

地域にとっては、どの種類のがんに関して課題が大きいかを同定してから、そこに特段の注力をすることが大切です。これから、がんの部位別に死亡率の動向を確認していきます。まずは、大腸がんから。

2018年の大腸がん死亡率(75歳未満年齢調整死亡率)の男のワースト県は青森県、ベスト県は香川県です(図1)。男性の大腸がんの死亡率は国全体でもほとんど減少していませんが、青森県では大きく増加してしまっています。国全体の女性の大腸がんの死亡率も減少していません。ワースト県の長崎県はやはり大きく増加しています。ベスト県は徳島県ですが増加傾向にあります(図2)。

なお、がんの部位を絞った場合、単年度では死亡率がかなり乱高下することがありますので、3年、5年の傾向を見ることも大切であることも指摘しておきたいと思います。こちらのサイトでは、部位を選んだ上で、県だけでなく年次の範囲も指定してデータを閲覧することができます。

次に大腸がん死亡率ワースト10の過去5年間(男、女)の表を付します。自分の地域の名前がないか、チェックしておきたいものです。速やかに全国値より低い数値にすることが望まれます。

死亡率のみならず、死亡率減少率を見ておくことも重要です。男性の減少率と死亡率に関して都道府県の位置づけを示した散布図と、同じく女性の散布図を作成しました。県名が右下にあれば、過去10年間の減少率が大きく直近の死亡率が低いことを意味し、よいパタンといえるでしょう。逆に、左上にある場合は、減少率が小さく直近の死亡率が高いことを示しており、危機感を高めるべきといえるでしょう。

沖縄県では、男性の大腸がんの死亡率がワースト2位で、過去の減少率も小さいことから、大腸がんプロジェクトの推進が検討されています。地域の課題を発見したらそれに対処する活動を実践することが重要であると考えられます。

次回は「肺がんの死亡率と減少率の推移」です。

「地域医療ビッグデータで地域の課題を抽出」連載②

がんの死亡率と減少率の推移 ~地域に差。自分の地域の課題を知ろう~

今回は、都道府県別のがんの死亡率とその減少率に着目してみましょう。

2018年、がん死亡率(75歳未満年齢調整死亡率:全部位・男女計)のワースト県は青森県、ベスト県は長野県です。
https://public.tableau.com/profile/cancer.policy.summit#!/vizhome/20012620082018_15834872276220/sheet0

男性だけをとっても同じく、青森県がワーストで長野県がベストです。女性については、ワーストは青森県ですが、ベストは三重県となっています。上記のURLの「全部位 男」「全部位 女」のタブをクリックしてみてください。自分の県のデータをみたいときは、画面右のフィルターにある県名をチェックするとグラフが現れます。

以下、がんの部位別にワースト県、ベスト県を示します。意外な県がワースト5に入っていたりしますので、ぜひご自分の県の位置づけを確認してみてください。
・肺がん 男 ワースト青森県、ベスト青森県
・肺がん 女 ワースト北海道、ベスト秋田県
・大腸がん 男 ワースト青森県、ベスト香川県
・大腸がん 女 ワースト長崎県、ベスト徳島県
・胃がん 男 ワースト秋田県、ベスト沖縄県
・胃がん 女 ワースト新潟県、ベスト沖縄県
・乳がん ワースト秋田県、ベスト高知県

図は、横軸に2008年から2018年まで10年間のがん死亡率減少率、縦軸に2018年のがん死亡率にとった散布図です。減少率が低くて死亡率が高い青森県、減少率が高くて死亡率が低くなった島根県など、県によって性格が異なります。

がんの死亡率は2005年から2015年までに20%削減する目標を掲げましたが、15.6%に留まり未達でした。では、2008年と2018年で都道府県のがん死亡率の差は縮小しているでしょうか。2008年は中央値85.9、最大値101.7、最小値72.4、標準偏差5.8、2018年は中央値71.4、最大値91.1、最小値62.5、標準偏差5.3でした。グラフのように、数値のばらつきを表わす標準偏差の値はほぼ横ばいで改善が進んでいない状況です。

がんの死亡率を下げるには、すべての都道府県がすべての部位のがんの死亡率を下げるのが大切ですが、何よりも部位別のがんの死亡率でワースト10に入るような県が、そのがんの死亡率を大幅に下げることが重要となります。そのためには、そうした対象となる県の住民やがん対策関係者がその事実に気づくことがスタート点となるでしょう。

次回は「大腸がんの死亡率と死亡率減少率の推移」です。
左上は死亡率減少率が低く死亡率が高い。右下は死亡率減少率が高く死亡率が低い
がん死亡率の都道府県差(標準偏差)は2000年ごろと比べて今も際立った改善はない

「地域医療ビッグデータで地域の課題を抽出」連載①

はじめに~データを均均てん化のために役立てよう~

今日から「地域医療ビッグデータで地域の課題を抽出~対策の評価と改善のために~」の連載を開始します。

第1回目は、「はじめに~データを均てん化のために役立てよう~」です。

医療ビッグデータ由来のオープンデータが増えてきました。医療を受けたときの個別の医療費請求データを集積したレセプトデータや、全国のがん患者さんを捕捉するがん登録のデータなどを、医療機関や地域単位で集計加工したデータが公表されています。

こうしたデータが地域差や施設差を示し、地域の課題の診断に役立つ可能性があります。そして、それが各地の患者さんの状態を均てん化(あまねく最良の状態に収れんさせる)につながるかもしれません。せっかく公表されるようになったこうしたデータを活用したいものです。

この連載の目的は図のとおりです。最終ゴールに向けて、初期ゴールに役立つ情報提供を行っていきたいと考えています。医療計画の5疾病5事業在宅医療などに取り組むさまざまな立場の方々(行政、議員、患者・住民、医療提供者、メディア、民間…)にご利用いただければと思います。

連載の構成は、次のように予定しています(50回程度になると見込んでいます)。
・がんの死亡率
・部位別がんのデータセット
・がん医療の地域差
・脳卒中関係のデータ
・リハビリテーション関係のデータ
・心疾患関係のデータ、精神疾患関係のデータ、在宅医療のデータ

次回は「がんの死亡率と減少率の推移」の予定です。
患者アウトカムを均てん化させるためにみんなで地域の現状を示すデータをチェック

自分の地域の「医療計画」「がん計画」を中間評価しアウトカムを改善しよう

2020年は地域医療にとって重要なタイミングとなります。医療計画、がん計画などの諸計画に関して、6年計画の中間評価の年に当たります。計画前半の的確な評価なくして後半の改善はありません。また、地域医療構想で描いた地域医療提供体制の再構築が本当に進むかどうか、岐路となる年にもなるでしょう。

乃木坂スクール in 赤坂「医療計画とがん計画」
https://www.iuhw.ac.jp/daigakuin/nogizaka/guidance/2020_f/05.html
https://www.hanioka.org/cont1/main.html

オープンデータで医療を“見える化”しよう

患者アウトカムの均てん化のために、オープンデータを利活用して、地元や関心地域の医療を“見える化”してみましょう。
 医療に関するオープンデータがたくさん活用できるようになっているいま、それができるようになってきました。
 BI(可視化)ツールを利用すれば、素早く課題を抽出、共有できるようになります。

・地域医療ビッグデータ入門
https://www.hanioka.org/cont10/main.html
・均てん化のための可視化サイト(目次)
https://www.hanioka.org/cont5/37.html
・均てん化のための可視化サイト
https://public.tableau.com/profile/ken.hanioka#!/
・医療オープンデータリンク集
https://www.hanioka.org/cont6/main.html
・地域医療計画 評価指標の可視化
https://www.hanioka.org/cont11/52.html
・地域医療計画評価ネットワーク(RH-PLANET)「医療計画評価指標の見える化」
https://public.tableau.com/profile/ken.hanioka7573#!/
脳卒中リハビリ関係指標セット(埼玉県医療圏表示)
疾病・死因別死亡率(千葉県医療圏)

ABOUT

携帯用QRコード

QRコード
携帯のバーコードリーダーでQRコードを読み取ることで、携帯版ホームページへアクセスできます。
PAGE TOP